活動レポート

[活動レポート]平成22年週刊2号 公立学校での学力向上は可能か

公立学校での学力向上は可能か

ゆとり教育からの転換である新学習指導要領は、小学校は平成23年、中学校は平成24年から実施されます。ここで、ゆとり教育の時代にどんな教育をしていたのか、その例を挙げてまいります。

現代は、国際化の時代と言われています。中学校の世界地理の現状をご存知でしょうか。ヨーロッパの国、英、仏、独、伊・・・、といろいろありますがうち何カ国を中学校では学習するでしょうか?※

【 答えはこの文章の最後をご参照ください 】

続いて日本の地理です。47都道府県のうち、小学校ではいくつ学習するでしょうか?※

【 答えはこの文章の最後をご参照ください 】

このゆとり教育の中で、学力向上を実現させた小学校があります。広島県尾道市立土堂小学校です。

心と体と脳の土台を作り、意欲と自身を持つ子を育てるために、「早寝・早起き・朝ごはん」といった生活習慣の改善と、「読み・書き・計算」などの基礎基本の徹底反復を、モジュール授業として行う、独特の指導法によって、学力向上を実現しました。

この指導法で土堂小学校は、IQ100未満の子供が約1割、120以上が42%という結果をだしました。IQの平均値は100と言われているので、これは脅威的な数字です。

議会でこの指導法を提案すると「陰山校長だからできた」という答弁でしたが、山口県の山陽小野田市では教育長のリーダーシップで全校に実施し、平成18年の5月、19年の2月に知能検査や学力検査をした所、2〜6年生の知能指数は84%の子供が上昇し、平均は102から111にアップ、学力偏差値も63%の子どもたちが伸び、平均は49.9から52.1に上がるという結果を出しました。

これで、陰山氏だからできたのではない、どこの学校でもやる気があれば結果を残すことができる、ということがはっきりしました。学力向上のためにやるべきことは、「家庭が積極的に生活習慣の改善を行う仕組みをつくる」こと、そして「正しい基礎基本の指導法を確立する」ことです。これからもよりよい教育環境を作るべく提案してまいります。

※文科相は現行学習指導要領は最低基準であるとし、発展的学習として学習指導要領以上の内容を指導でき、全ての学校で全くやっていないということではありません。

 

☆ 中学世界地理、ヨーロッパを何カ国学習するか。

【 答え → 1カ国

ほとんどの教科書がこれにアジア1カ国とアメリカのたった3カ国で、義務教育の世界地理は終わりです。高校は世界地理は必修ではないので、学習をしない場合もあります。つまり、まともに世界のことを学習しないまま、多くの若者たちは成人することになります。この世界の国を学習しないカリキュラムは10年以上変わらず、今日まで来たのです。

ある都立高校では、クラスの大半がフランスの首都がわからず、うち一人が「フランスの首都はイギリス」と答え、英語の先生が愕然としたという話があるそうです。ちなみにこの都立高校、偏差値50以上ないと入学できないところだそうです。

 

☆ 小学校の都道府県、いくつ学習するか。

【 答え → 小学校ではやりません

中学校は3県で終わりです。高校は日本地理が必修ではないので、やらない場合もあります。その結果とある講演会で、教員志望の学生たちに「富士山の位置がわからない人は手を挙げて下さい」とアンケートをとった際、国立で2割、私立の大学に至ってはなんと6割が手を挙げたのだそうです。

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